脳卒中や頭部外傷によって脳が損傷された場合には,損傷された部位によっては医療的に重症度が高くなり,手足を動かしたり,声を出したりすることが難しくなるケースがあります.
私たちが自分の意志を示す手段は,大きく捉えると「言語」と「非言語」の2つがあります.「言語」によるコミュニケーション」は,①声で言葉を発する,②文字を書く,③文字盤や絵カードを指す,等でコミュニケーションをとることを示します.「非言語」によるコミュニケーションは,①手足や表情によるジェスチャー,②視線,等,言葉を用いないコミュニケーションのことです.
後遺症により手足を動かすことや,言葉として声を出すことが難しくなり,「言語」,「非言語」のコミュニケーションをとる方法が十分に発揮できない場合には,YES / NO の回答は可能であっても,複雑なことのやり取りに時間が必要になる可能性が高くなったりします.
そいうった際に,発揮できる機能・能力を最大限に活かして,コミュニケーションの幅を拡大するために補助するための道具・機器のことを「コミュニケーション・エイド」と言います.
コミュニケーション・エイドには,透明な文字盤を2者間に挟み,視線があったところの文字や,絵から表出したい意図を読み取るアナログな方法から,わずかな体の動きを利用して,パソコンのカーソル移動やマウスのクリックの機能を発揮できるように環境を整えて,気持ちを表出するデジタル技術を使った方法があります.
今回の動画では,デジタル技術を使って文字入力をするコミュニケーション・エイドを紹介しています.
*東京大学の障害と高等教育に関するプラットフォーム形成事業(PHED)を進めている,近藤武夫准教授の研究室の見学時にご紹介いただきました.学習支援のために活用されているものですが,様々なケースに応用可能と思いますので許可をいただきご紹介しています.
技術が進歩して,様々なものが出てきており,コンパクトに,安価に,より入力しやすいものが出てきています.ただし,コミュニケーション・エイドは,あくまでも道具です.支援機器の向こう側にはユーザーがいらっしゃいます.支援機器の長所・短所を把握しながら,対象者の生活がより良いものになるように適応を考えた導入を大前提であることは言うまでもありません.
道具と支援者を繋ぎ,ニーズと適応を適切に判断できる方の拡大していくことも技術発展とともに必要になってきますね.
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