運動麻痺の程度を評価する方法
脳卒中後の運動麻痺の程度は,手足を動かすことができるか?動かすことができるならば,どの位複雑に動かすことができるか?という視点で評価していきます.
その運動機能の評価として日本で多くの施設で使われているのが,Bruunstrom Recevery Stage(ブルンストローム・リカバリー・ステージ)です.
手は「上肢」「手指」の2つで,足は「下肢」の1つのカテゴリで,全3つのカテゴリで評価をしていきます.ステージが上がるほど,運動の自由度が高くて,運動機能が高いことになります.したがって,「Bruunstrom Recovery Stage:上肢 Ⅲ / 手指 Ⅳ /下肢 Ⅴ」という表現で,どのくらいの運動機能があるかおおよその判断が可能となります.
上肢 Upper extremity
▶︎stage Ⅰ:
弛緩性麻痺
(肩から腕の筋肉の収縮が得られない状態)
▶︎stage Ⅱ:
上肢にわずかな随意運動がある
(肩から腕の筋肉が少しだけど動きがある状態)
▶︎stage Ⅲ:
座位で肩・肘の同時屈曲,同時伸展
(手を挙げようとすると,腕が脇からわずかでも離れ,肘が曲がる)
▶︎stage Ⅳ:
腰の後方へ手をつける。肘を伸展 させて上肢を前方水平へ挙上。肘 90°屈曲位での前腕回内・回外
(腰の後方へ手を回すことができる.
(肘伸展位で上肢を前方水平へ挙上(腕が水平になる所まで,肘を曲げずに前から挙げられる)
(肘90°屈曲位での前腕回内・回外(肘を)
▶︎stage Ⅴ:
肘を伸展させて上肢を横水平へ挙 上、また前方頭上へ挙上、肘伸展 位での前腕回内・回外
(肘を伸ばした状態で,腕が横水平になるまで挙げることができる)
(肘を伸ばした状態で,腕を頭上へ挙げることができる)
(肘を伸ばした状態で,腕を前へ90度挙げて,手の平が上下に向くように腕を回すことができる)
▶︎stage Ⅵ:
各関節の分離運動
(肩・肘を意図したように動かすことができる.しかし,動かすスピードはゆっくりであることがある)
手指 Finger
(指が動かせない)
指の屈曲不能,または僅か可能
(指がわずかに動く)
手指集団にぎり,鉤形にぎり可能.ただし指の随意伸展不能
横つまみ可能.母指外転によるつまみ開きが可能.
半ば随意的な手指伸展可能.ただし不十分.
先端つまみ可能、円柱にぎり、球形にぎり可能だが、実用性が少ない。
随意的な手指伸展はかなり可能。
▶︎stage Ⅵ:
すべてのにぎり、つまみが可能。巧緻性向上し随意的手指伸展完全に可能
個別の手指運動ができるが、反射が側よりわずかに劣る
(どんな握り方も,つまみ方も可能で,指をしっかりと伸ばすことができる)
(指も一つずつバラバラに,一本ずつ動かすことができる)
下肢 Lower extremity
弛緩性麻痺
下肢のわずかな随意運動
座位,立位での股・膝・足の同時屈曲。
座位で足を床の後方へすべらせて,膝を90°屈曲
踵を床から離さずに随意的に足関節背屈
立位で股伸展位,またはそれに近い肢位・免荷した状態で膝屈曲分離運動
立位,膝伸展位で,足を少し前に踏み出して足関節背屈分離運動
立位で,骨盤の挙上による範囲を超えた股外転
(立った状態で,足を外へ開く動きが出来る)
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